3月議会では、川越市の『姉妹・友好都市について』一般質問を行った。
①川越市には姉妹都市、友好都市がいくつあるのか。
②姉妹都市と友好都市の違いは何なのか。
③それぞれの姉妹都市、友好都市との提携の経緯、提携年月日(今年で何年目になるのか)、主な交流事業についてお聞きしたい。

④川越市姉妹都市交流委員会の概要についてお聞きしたい。
⑤ 海外姉妹都市との交流の中で中学生派遣事業があったが、その内容についてお聞きしたい。
⑥棚倉町とのふるさと交流事業の内容についてお聞きしたい。
⑦小浜市との物産と観光展の内容についてお聞きしたい。
⑧中札内村との全国絵画公募展入賞作品展覧会の内容についてお聞きしたい。

⑨オッフェンバッハ市との青少年交流団の受入、商工会議所の研修生相互派遣制度の内容についてお聞きしたい。
⑩セーレム市、オータン市との市民訪問団の相互派遣の内容についてお聞きしたい。

⑪市立川越高等学校では海外の姉妹都市との交流はないのか。あるとすれば、どのような内容の交流を行っているのか。
⑫交流事業というと、どうしても限られた人のものになってしまいがちであるが、今後、各姉妹都市、友好都市との交流に更に多くの人に関わってもらうには、どのような交流事業が考えられるのか。
⑬市長は、昨年11月、姉妹都市提携10周年を記念してオータン市を訪問したが、どんな感想を持ったのか。
⑭そろそろ国内に新たな姉妹都市を作ってもよいと思うがどうか。
また、現在の海外姉妹都市はたいへん遠く、行くのに時間がかかる。もう少し近いアジア圏に姉妹都市があってもよいと思うがど
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3月議会一般質問答弁
① [答 弁]
本市の姉妹都市、友好都市ということでございますが、まず姉妹都市につきましては国内に福井県小浜市の1都市、海外にドイツ連邦共和国オッフェンバッハ市、アメリカ合衆国セーレム市、フランス共和国オータン市の3都市ございます。
次に、友好都市につきましては福島県棚倉町、北海道中札内村の2都市がございます。
② [答 弁]
姉妹都市と友好都市の違いでございますが、昭和47年に棚倉町と提携する際に、「姉妹都市」にするか、或いは「友好都市」にするかについて検討した結果、「姉妹」という言葉を用いますと、どちらが「姉」で、どちらが「妹」かというように上下の関係が発生する恐れがあることから、本市におきましては、相手が町や村の場合には「友好都市」を、市の場合には「姉妹都市」を用いることとしたところでございます。
なお、名称は違いますが、交流の内容につきましては全く違いはございません。
③ [答 弁]
それぞれの姉妹都市、友好都市との提携の経緯等につきまして、国内、国外に分けまして、提携順に申し上げます。
まず、福島県棚倉町につきましては、川越藩、棚倉藩の藩主に松平周防守康英公をいただいた縁で、昭和47年1月18日に友好都市として提携し、42年が経過いたしました。主な交流には、ふるさと交流事業、ゴルフ交流事業、子ども会の交流事業などがございます。
次に、福井県小浜市につきましては、川越藩主 酒井讃岐守忠勝公が若狭小浜藩に転封になり、石原に伝わるささら獅子舞の演技者を召し連れていきました。以降、雲浜獅子として現在まで伝承されている縁で、昭和57年11月30日に姉妹都市提携し、31年が経過いたしました。主な交流には市民訪問団の派遣や物産と観光展、小中学生による絵画展などがございます。
更に、北海道中札内村につきましては、本市の名誉市民である相原求一朗画伯の作品を展示する「相原求一朗美術館」が中札内村に開館した縁から、相互交流が始まり、平成14年11月30日、友好都市提携し、11年が経過いたしました。主な交流には中学生の相互派遣、中札内村で行われている全国絵画公募展入賞作品の展覧会などがございます。
続きまして、海外姉妹都市について申し上げます。
まず、ドイツのオッフェンバッハ市につきましては、昭和58年3月に策定した川越市総合計画に将来都市像を「明るい未来をつくる緑豊かな国際性のある文化都市」と定めたことから、市民に対して国際交流の場を提供すべきと判断し、公的機関などと相談した結果、両市が大都市圏に位置し、古い歴史を有するという共通点があることなどから、推薦のあった同市と昭和58年8月24日に姉妹都市提携し、30年が経過いたしました。主な交流には、中学生交流団の派遣、青少年交流団の受入、商工会議所の研修生相互派遣制度などがございます。
次に、アメリカのセーレム市につきましては、市内の東京国際大学とセーレム市内のウィラメット大学が姉妹校提携をし、様々な市民交流が重ねられたことから両市で姉妹都市提携を求める機運が盛り上がり、昭和61年8月1日に姉妹都市提携し、27年が経過いたしました。主な交流には、中学生交流団の派遣、市民訪問団の相互派遣、姉妹校交流などがございます。
最後に、フランスのオータン市につきましては、2000年以上の歴史がある都市でございますが、埼玉県出身の壁画修復画家がオータン市の名誉市民として活躍していることから、日本への関心が高まり、同氏を通じてオータン市の意向が伝えられ、平成14年10月18日、姉妹都市提携し、11年が経過いたしました。主な交流には、中学生交流団の派遣、市民訪問団の相互派遣などがございます。
④ [答 弁]
川越市姉妹都市交流委員会の概要についてでございますた、昭和58年に、都市提携に伴い相互の信頼と友好の関係を確立するための行事事業を計画し、推進することを目的として設立されたものでございます。教育、文化、スポーツ、経済、行政のそれぞれ関係団体から選出された委員で構成されており、関係する市民団体の協力をいただき、各分野の意見を取り入れながら事業を計画、実施しているところでございます。
現在、20の団体から推薦を受けた20名の委員のほかに、これまで代表を務めた方2名が顧問として、そして川越市長が名誉会長として加わり、全体で23名で構成されております。
⑤ [答 弁]
海外姉妹都市への中学生派遣事業についてでございますが、毎年、中学生22名を、夏休み期間中に派遣しております。本派遣事業につきましては、昭和62年度から始めたものでございます。過去5年間を見ますと、平成20年度はオータン市へ、平成22年度と24年度はオッフェンバッハ市へ、平成20年度、平成23年度、25年度はセーレム市へ派遣しております。これまでに延べ396人の中学生を派遣しております。
この事業は、本市の未来を築く中学生に、海外姉妹都市での生活文化を体験していただき、相互理解と交流を通じて両市間の友好親善に寄与することを目的として実施しているものでございます。
事業内容といたしますと、派遣前の事前研修、ホームステイを通じて現地の家庭生活の体験、学校での体験発表、報告書の作成でございます。
昨年8月に派遣したセーレム市でのプログラムを見てみますと、市長表敬訪問、消防署や警察署の訪問、ちょうどその時期に現地で行われていたオレゴン・ステーツ・フェアの見学とお手伝い、同世代の子供たちとの交流などが実施されました。また、セーレム市では一般家庭にホームステイし、現地での生活を体験していただきました。
⑥ [答 弁]
棚倉町とのふるさと交流事業についてでございますが、本市市民と棚倉町民が直接会って、相互理解を深めるために、平成6年度より毎年交互に実施しております。この交流事業の参加者につきましては、広報紙を通じて参加を募っております。毎回20名から30名の市民の皆様にご参加いただいております。
昨年10月の「川越まつり」の際には、棚倉町より27名の町民の皆さんにお出でいただき、市内見学や川越まつりへの参加、更に市民の皆さんとグラウンドゴルフ交流を実施し、友好を深めたところでございます。
⑦ [答 弁]
小浜市の物産と観光展につきましては、毎年10月下旬に行われる「川越産業博覧会」の際に特産品の紹介や観光PRを行っております。
また、毎年10月、小浜市で行われている「おばま食のまつり」においては、「川越の物産」や「川越市伊佐沼青空市組合」などの皆さんのご協力をいただき、川越の特産品である「芋菓子」などを小浜市民の皆さんに紹介しております。
⑧ [答弁]
中札内村との全国絵画公募展入賞作品展覧会につきましては、中札内村は全国から絵画を公募する「北の大地ビエンナーレ」展を平成7年から開催し、その中から「北の大地大賞」や「中札内美術村賞」を受賞した優秀作品を村の財産として購入しております。この「北の大地ビエンナーレ」展を現在までに9回開催しておりますが、こうした村が所蔵する作品をお借りして、川越市立美術館の市民ギャラリーにおいて「北の大地展」を隔年で開催しております。この展覧会には、中札内村の絵画グループ「黄土会」の皆さんの作品や中札内村小中学生の作品、それに本市の絵画のグループ「車楽会」の皆さんの作品もあわせて展示しております。今年度も去る2月5日から9日までの間、開催したところでございます。
⑨ [答弁]
オッフェンバッハ市からの青少年交流団の受入れにつきましては、本市の中学生交流団を隔年でオッフェンバッハ市に派遣しておりますが、この交流団をホームステイで受入れていただいた家庭の子どもさん20名程度を隔年で10月の秋休みを利用して川越にお迎えしております。市内ではホームステイを行い、10日間程度、滞在し、市内見学や学校訪問、川越の文化を体験する事業を実施しております。
また、商工会議所の研修生相互派遣制度についてでございますが、これは川越商工会議所とオッフェンバッハ商工会議所が友好商工会議所として提携し、平成14年より毎年実施されております。これまでに川越からは7名が、オッフェンバッハからは10名がこのプログラムに参加して、川越市内、或いはオッフェンバッハ市内の企業で研修を実施しております。これに係る経費につきましては、オッフェンバッハ商工会議所が所管する「ブロムカンプ日独交流基金」から補助金が交付されております。
⑩ [答弁]
市民訪問団の相互派遣についてでございますが、多くの市民の皆さんに姉妹都市についての理解を深め、市民交流を体験していただくことを目的に、姉妹都市提携してから10周年、15周年、20周年という記念の年に、広報を通じて参加者を募り、市民訪問団を派遣しております。これには20名程度の市民の皆さんにご参加いただいております。
また、セーレム市やオータン市からの市民訪問の受入れについてでございますが、提携10周年、20周年という記念の年や本市の市制施行80周年、90周年という記念の年に市民訪問団の受入れを行っております。一昨年、市制施行90周年という記念の年に「姉妹友好都市サミット」を開催したところ、セーレム市からは15名、オータン市からは8名の訪問団の皆さんをお迎えし、友好を深めたところでございます。
⑪ [答 弁]
市立川越高等学校の海外姉妹都市との交流についてでございますが、昭和63年11月にアメリカ・セーレム市のノース・セーレム高校と姉妹校として提携し、以降、相互に訪問しあう形で交流事業を実施しております。
市立川越高等学校の生徒がノース・セーレム高校を訪問する際には、現地校の授業への参加や一般家庭におけるホームステイなどを通じて、英語の学習やアメリカの生活文化を体験し、友好交流を深めております。
ノース・セーレム高校の生徒が市立川越高等学校を訪問する際には、授業や部活動に参加して生徒同士の交流を深めるほか、ホームステイ、市内の見学、茶道や華道などの日本文化の体験、といったプログラムを通じて川越への理解を深めていただいております。また、受け入れる市立川越高等学校の生徒にとりましても国際交流を実践できる絶好の機会となっております。
⑫ [答 弁]
更に多くの市民の皆様に参加いただける交流事業についてでございます。姉妹都市・友好都市につきましては、どの都市につきましても地理的に離れており、なかなか気軽に訪問することは難しいものと承知しております。
毎年行っております、中学生の海外派遣につきましては、体験したことを 自分一人のものとするのではなく、全校で分かち合うため、多くの学校の協力をいただき、文化祭等で報告する機会を設けていただいています。
また、市民号や交流事業への参加につきましては、広報やホームページで周知し、募集させていただいております。参加されなかった方には、こうした友好事業の結果を広報などを通じて報告をさせていただいております。
今後でございますが、現在、中札内村の絵画展、川越産業博覧会の際に実施している特産品の紹介といったような市内で行っている事業を一層充実させるとともに、絵画や書道といったグループ間の交流、或いは、各種スポーツ愛好者同士の交流など、交流の幅を今まで以上に拡大して事業を実施していきたいと考えております。
⑬ [答 弁]
オータン市を訪問しての感想ということでございますが、私自身、フランスを訪問することは初めてでありました。今回は、姉妹都市提携10周年ということで、大泉副議長さんをはじめとする議員の皆様、更に、姉妹都市交流委員会や市民の皆様、総勢36名でオータン市を訪問いたしましたが、やはり、建物や街並みを見てみますと、非常に古い歴史の重みを感じたところでございます。また、こういった歴史を日常生活の中にうまく生かしているところに感心いたしました。今回は、滞在日程も短く、プログラムもたいへん厳しいものがありましたが、レミー・ルベロット市長さんと交流事業について協議し、今後も引き続きお互いに協力して友好を深めていくことで考えが一致したところでございます。また、多くの方がホームビジットというプログラムを通じてオータン市民の皆様と直接的な交流ができたことは、新たな市民間の友情が芽生えたという意味でたいへん価値あるものであったと考えているところでございます。今後も、川越・オータン両市間の交流を一層深めて参りたいと考えておりますので、議員の皆様のご協力をお願いいたしたいと思います。
⑭ (答 弁)
国内に新たな姉妹都市をということでございますが、現在の姉妹都市、友好都市とは様々な経緯から提携し、市民交流を通して友好を深めております。ご提案のありました奈良県の大和郡山市は、藩主に柳沢公を共にいただいたというご縁もあり、また、本年は柳沢吉保公没後300年ということで、博物館及び美術館において特別展を開催する予定でございます。これを契機として市民の皆様の関心が高まり、交流を通して友好が深まっていくことを期待すると共に、こうした交流の状況を踏まえて、可能性について調査検討してまいりたいと考えます。
また、アジア圏に姉妹都市をということでございますが、私自身、このたびのオータン市訪問によりまして全ての海外姉妹都市を訪問することができました。やはり、ご指摘のように、大変、時間がかかりました。私どもはアジアの一員でありますし、様々な克服しなければならない課題はあるにしても、近くの国の人たちと仲良くし、お互い市民同士の交流を通じて、地域の発展と地域の平和に貢献しなければならないと考えております。したがいまして、将来、こうした地域の都市と姉妹都市提携することは大変意義があると思いますので、検討してまいりたいと考えます。