『9月議会閉会』と『いじめに関する決議』
9月議会が閉会して2週間が たとうとしている。
今議会は、決算議会であった。
議案はすべて可決したが、あとあじの悪い議会となった。
副議長・議運の委員長の突然の退任。
6月議会で二人とも就任したばかりであった。
一般質問の初日、議員の質問に答える形での川合市長の2期目へのチャレンジが報告された。
文教常任委員長である私にとって何よりも心を痛めたのが、議会初日の新聞報道による『いじめの問題』だった。
今年の1月に市内中学生の傷害事件がの報告を受けた。そのことはFAXを通じて全議員にも連絡をした。
その後、何回か不幸にして入院を余儀なくされた生徒の体調については報告を受けた。
しかし、この傷害事件が、『いじめの延長上』に起きたことを教育委員会が知っていたのに、その報告はなっかた。
1月中にアンケート調査を行っていた事。その結果が3月下旬でなければまとまらなかった事。
入院中の児童の保護者に4月に入ってから報告した事。
入学以来、生徒間のトラブルが8回もあったのに、先生方は、いじめに気が付かれなかった事。
1学期・2学期に教育相談アンケートを実施していたにもかかわらず、いじめの実態をつかむ事は出来なかった事。
ましてや、記載がないという事で、そのアンケートを処分してしまった事。返す返すも残念でならない。
3名の議員の方が『いじめ』の問題についてそれぞれに一般質問を行った。
どの質問に対しても、教育員会の答えは十分配慮し、隠したりしようという事は決してないという内容に終始した。
しかし、学校でのいじめを把握する体制は機能していなっかった。
生徒指導に活用すべきアンケートを処分するなど、ずさんな文書管理を行っていた。
何よりもこの事を市内の小中学校の現場で指導にあったている教職員に事態の概要と、くみ取るべき教訓を知らせていなかった。
指摘すればまだまだ指摘する事は沢山ある。
文教常任委員会で『いじめの延長上の傷害事件を教訓にいじめ再発防止を強く求める決議』を提案し、本会議で全会派一致で可決したことがせめてもの救いである。
決議文については最後に全文掲載する。
本当に『教育委員会は機能していくのだろうか』
入院中の生徒さんの一日も早いご回復を心より念じております。
決議第二号
いじめの延長上の傷害事件を教訓にいじめ再発防止を強く求める決議
 
いじめの延長上の傷害事件を教訓にいじめ再発防止を強く求める決議を別紙のとおり決議する。
   平成二十四年十月二日提出
               提出者 文化教育常任委員長   山 木 綾 子
               同    文化教育常任副委員長 若 狭 みどり
               同    文化教育常任委員    明ヶ戸 亮 太
               同               三 浦 邦 彦
               同               中 村 文 明
               同               中 原 秀 文
               同               牛 窪 多喜男
               同               本 山 修 一
               同               江 田   肇
                                  
   いじめの延長上の傷害事件を教訓にいじめ再発防止を強く求める決議
 本年一月、市内中学生による、同級生に対するいじめによる傷害事件が発生した。
 事件発生前、学校では生徒間のトラブルが度々発生していたが、どの教員もその都度の指導に終始し、いじめに気づくことができなかった。また、一、二学期には、教育相談アンケートを実施していたが、このいじめを学校に通報する生徒はいなかった。このことは、学校でのいじめを把握する体制が機能しなかったこと、生徒がいじめを相談しやすい環境が整っていなかったことを浮き彫りにした。また、当該アンケートは通例により面談指導後に処分したとのことであるが、生徒指導に活用すべき貴重な資料を処分するようなずさんな文書管理は問題である。
 事件発生後、教育委員会は、一月中に本件いじめに関するアンケートを実施し、三月二十六日になって、傷害事件がいじめの延長上で発生したことを認識したとの報告であるが、事態の重大さに鑑み、あまりにも対応が緩慢であると言わざるを得ない。さらに、九月の新聞報道に至るまで、現場で生徒の指導に直接あたっている市内小中学校の教職員に、事態の概要と、くみ取るべき教訓を知らせていなかったことは、極めて重大なことである。また、本市議会、県教育委員会等関係機関に対しても、事件がいじめによるものであることを報告していなかった。以上、これら教育委員会の対応は誠に遺憾である。
 今後、教育委員会は、いじめが人間として許されないことであること、いかに人間は互いに尊重されるべき大切な存在であるかを、学校教育のなかの柱としてすえ、家庭でも話し合い、教職員、生徒、保護者、地域全体の共通の認識とするよう努めなければならない。
 学校や教職員のありかたとして、学校は、生徒たちの人権や生命に関わる問題が起きた場合は、たとえ学校や教職員が多忙であっても、生徒たちの人権、生命を守ることをすべてに優先しなければならない。また、教職員一人ひとりが、あらゆる教育活動、職務を、いじめの発見及び対応の機会であると認識し、いじめを受けている生徒の苦悩や訴えを見逃さない敏感さを持つことが重要である。
 このような事件を繰り返すことのないよう、本市議会は、子どもの健全育成こそが本市の将来を担うものであり、大人全体の責任で子どもたちを救う決意を固めるとともに、教育委員会に対し、左記事項に留意し、いじめの防止、早期発見、発生時の対応の強化を図るよう強く要請する。

一、アンケート形式の見直しやインターネットを利用した相談等、相談しやすい窓口への改善を検討するとともに、教職員の自己研鑽や研修により、生徒の訴えを感じ取る力を磨くこと。
二、生徒たち自身の手による、いじめをなくすための自浄努力の活動を支援すること。
三、家庭に対し、学校のいじめ問題への考え方、家庭でのいじめへの対応方法、いじめの相談窓口を周知し、学校との共通理解を深めるとともに、家庭からの意見をくみ取るよう努めること。
四、いじめへの対応を担任まかせにせず、組織的に対応する校内体制及び関係機関との連携体制を整備すること。学校現場と教育委員会との距離を縮め、緊密に連携すること。生徒指導専門教員の配置等人員体制の充実を検討すること。
五、いじめの事実確認、初期対応、関係機関への報告に至る一連の対応について、一定の期間を定め、速やかに行う仕組みを構築すること。
六、体系的ないじめ対応マニュアル(インターネット上のいじめを含む)を早急に整備、周知徹底し、市内全校で一定の対応を可能とすること。外部専門家の活用も視野に入れ、今後のいじめ問題への対応のありかたを継続的に研究すること。
 右、決議する。
   平成二十四年十月二日
                                川 越 市 議 会